映画「ピーターラビット」感想
- 2018年、アメリカ・オーストラリア・イギリス
- 原作:ベアトリス・ポター
- 監督:ウィル・グラック
- 主演:ローズ・バーン、ドーナル・グリーソン、サム・ニール
- あらすじ:
「やぁ、僕の名前はピーター。青いチョッキが目印のウサギさ。パンツは履いてないよ。三つ子の妹といとこのベンジャミンと仲良く暮らしてる。父さんは恐ろしいマグレガー爺さんに捕まってパイにされちゃった…。僕らの味方はビアという人間の女の子。画家らしいけど何を描いてるのか見ても分かんないや。僕らの似顔絵だけは上手いんだけどね。とにかく、彼女は僕らに対してとても優しい。
さぁて、今日もおっかないマグレガー爺さんとこの畑から作物をいただくぞ。あれれ? マグレガー爺さんが急に倒れちゃった。やった、これで畑は僕たちのものだ! …と思ったらもっと乱暴な奴がやって来た! トーマス? マグレガー爺さんの遠い親戚らしい。負けるもんか、断固として僕らの畑を守り抜くぞ!
んんん? 何だかビアとトーマスが何だかいい感じだ…。むむむ、このイライラする感覚は何だろう? ムカつくからトーマスを徹底的に痛めつけてやれ!
あっ! しまった! ダイナマイトの起爆装置を触って僕らの巣穴がある木を爆破しちゃった。ついでにビアの家も壊してしまった。ビアはトーマスのしわざと思い込み、かんかんになっちゃった。絵をやめてここを出ていくつもりらしい。
ビアを引き留めたい。こうなったら、落ち込んでロンドンに帰っちゃったトーマスを連れ帰ってくるしかない。僕は行くよ、ロンドンへ!」 - 感想:
日本人ならおそらくキャラクターを、そしてイギリス人なら誰もが絵本を知っている「ピーターラビット」の初の映画化。「ベイブ」を担当したスタッフによるCGを駆使したピーター達のリアルな動きと、原作とは少し違ったブラックジョーク・テイストが見ものである。
お調子者のピーター、彼のかしましい3匹の妹たちとおっとりしたベンジャミン、世話焼きのハリネズミのティギーおばさん、歌が大好きなスズメたち、朝夕に「もう人生は終わりだ!」とトキの声を上げる雄鶏JWルースター2世(吹き替え版では怪優千葉繁氏が声を当てていて笑える)、見栄っ張りなブタのピグリン、ヘッドライトを見つめると動けなくなるのんびり屋のシカのフィリックス、ロンドンでピーターとベンジャミンを案内するポーターの格好をしたネズミのジョニー。生きてる本物か?と見まごう彼らが、イギリスの片田舎とロンドンでドタバタコメディを繰り広げる。
神経質で動物嫌いなトーマスと心優しい下手くそ絵描きのビアとの間に芽生える恋をことごとく邪魔し、またそのせいでビアが怒って村を出て行こうとすると、思い切ってロンドンへ行きトーマスを呼び戻そうとするピーターのハチャメチャな行動力が楽しい。
絵本は読んだことがなかったので、劇場へ行くまではムーミンやミッフィーみたいなほのぼのした映画かと思っていた。実際には「ピーターラビット」のお話の分量はかなり少なく、ウィル・グラック監督はピーターの父親がパイにされてしまったダークな部分をふくらませて脚本を作ったという。僕は大笑いしたが、映画館で僕の前に座っていたカップルは笑うに笑えなかったのか何だか気まずそうにしていて、気の毒だった。
ピーターとトーマスの畑での戦いは「プライベートライアン」のパロディで笑える。また、トーマスのブラックベリー・アレルギーの下りでは、ピーターが観客に向かって「でも抗議のお手紙を寄こすのはやめてね!」とメタ的ギャグを吐く。イギリスはこういうブラックジョークも混じった作品を大真面目に作るから面白い。
2021年に続編「ピーターラビット2/バーナバスの誘惑」も作られている。現在Amazonプライム・ビデオで2作とも配信されている。2も機会をみて見たい。
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